関西ではその名を轟かせている奈良ホテル。一言でこのホテルの良さを表現するのはとても難しいのですが、
あえて言うのなら「クラシカルロマン」。90余年前へタイムスリップした感覚を味わえる素敵なホテルです。
奈良ホテルは、明治42年に関西の迎賓館として開業しました。明治・大正・昭和・平成の4つの時代を
見ているホテルなのです。本館と新館があり、それぞれ和洋の組み合わせが絶妙。皇族の方々もお泊りにな
られるという理由が大いに納得できます。場所は、奈良公園敷地内の高台。まわりを緑に囲まれ、「大人の
隠れ家」という趣です。
まず、門をくぐって登り道を歩くこと数分。不思議なのですが、門をくぐる時点では、ホテルの建物が見えないのです。
本当にここなのかな?と不安になるほど。だからと言って急な坂道でもないんですよ。これは、古都保存法によるもので、外から容易に奈良ホテルが見えることのないよう、定められているのです。また、奈良ホテルから見渡す景観が損なわれ
ないようにというふうにも定められています。
そして、玄関へ。赤い敷物の上を歩くと、重みのある木製のドア。開くともうそこは明治時代の世界です。
木のぬくもりと柔らかさ、そしてきっと明治時代からそこにあるような手入れの行き届いた照明と、落ち着き
のあるカーテン。はっきり言って最高です。
過去に何度もテレビドラマに登場し、たくさんの有名人が愛しているホテルです。フロントにて販売されている
「奈良ホテル物語〜その90余年の歩み」を一度お読みください(1部500円)。とても詳しい歴史を知ることができます。
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